禅語

禅語で心を紐解く『日々是好日』とは

現代はとても便利になりました。

離れた人ともすぐに連絡が取れ会話ができたり、沢山の情報をネットやテレビで手に入れることができます。

時には、物が増え豊かになった世の中に疲れてしまうこともあるでしょう。

日本には四字熟語や諺など、素敵な言葉が受け継がれています。

そしていつもそれらは、人や世の中の真の部分に触れていて、目にした人の心に静寂をもたらしてくれます。

ここで出会う言葉で、あなたの日常に少しでも安らぎを。

日々是好日の読み方

日々是好日は「にちにちこれこうにち」と読みます。

日本バージョンでの書き方は「日々是れ好日」

「に」が多くて早口言葉みたいですね。

意味

こちらの禅語は、中国の仏教書の碧巌録(へきがんろく)にあり、碧巌集などといった呼び方もあります。1125年に成立し、全10巻からなっています。

少し前に、この言葉がタイトルの作品が世に生まれて映画もしていました。見たことがある方も沢山いるかもしれません。

日々是好日は、一般的に毎日がラッキー!といったような意味で知られているようですが、実はもっと深みのある言葉なのです。

人は自然とは切っても切れない関係であり、人もまた自然の一部です。

晴れれば気分も楽しくなり、雨が降れば憂鬱な気持ちで傘をさし外に出る。天気一つで人々の気持ちを左右する空は、私たちにとってとても大きな存在なことが分かります。

晴れたものの、暑くなりすぎて太陽が憎たらしく思えたり、冷たい風が吹きしもやけができれば早く春が来ないものかと思う。

また、カレンダーには大安や友引などといった日柄がありますね。結婚式の日はできることなら大安がいい、葬儀は友引は避ける…。今日は先勝だから早めの行動を心がけよう。

昔から受け継がれる風習は、今でも時に重要視されます。それは大切なことです。

ですが、この言葉が伝えたいのは、そのこだわりから距離を置くこと。

今日は晴れて気分もいい、雨が降ってモチベーションが上がらない…。

そういった自分視点から自然を見るのではなく、枠を外し「環境」という大きなくくりで自然を感じなさいということ。

青空が広がる日にはその日の、頭上を覆う雲と傘の日にはその日の美しいポイントがあるのです。

小説家の吉川英治もこのような言葉を言っていたそうです。

「晴れた日は晴れを愛し、雨の日は雨を愛す。楽しみあるところに楽しみ、楽しみなきところに楽しむ」