染料と顔料
まず、染料と顔料についてです。普段の会話の中でこの二つは聞きなれない言葉だと思います。
顔料は、粉末状の純粋な色を持つ不溶性のもの。水や油の溶剤に溶けずに浮遊している状態になるのが顔料です。塗料にする場合には、展着生のある液体にします。
粉のまま使われることはほとんどなく、塗料・インキ・絵具・クレパス・クレヨン・カラーマーカー等にして使われます。
遥か昔の人類は、顔料を身体に塗っていて、顔料を粉末にする器具も見つかっているそうです。35万前~40万年前も前の物。何人の先祖を辿ればいいのか…。
18世紀半ばから19世紀にかけての産業革命より前のこと、産出されている顔料と地名が結びつけられていました。鉱物や土を原料とする顔料は、多くがその採掘が行われている地名や都市の名前で呼ばれました。
シェンナはイタリアのシエーナに由来していて、アンバーは同国のウンブリア州に由来します。
染料は、顔料とは反対に可溶性で、布の繊維に科学的に付着します。ミョウバンやカリウムなどの媒染剤が必要ということが多いです。
動物や植物から抽出する天然色素が用いられ、植物由来の染料が種類として最も多いです。アカネ・アイ・ベニバナ・ムラサキなどが古くから知られています。
動物由来のものではイボニシなどから得られる澄んだ赤色の貝紫色(英名:ロイヤルパープル・ティリアン(チリアン)パープル)や、カイガラムシの一種のエンジムシから得られるコチニールがあります。天然由来のものは量に対して僅かにしか得られない為、希少品で使用は限られていました。
色の名前
1969年に言語学者のブレント・バーリンとポール・ケイがある調査をしました。20種類の無造作に選んだ言語の話者を調査するというもので、そこでひとつの法則を発見します。
言語が進化し色というものに名前が付けられるようになると、どの言語でも同じ順番で付けられるということです。
黒・白・赤・緑・黄・青で最後は茶。その他の色の順番は決まっていませんが、黒から茶までは厳密です。その他の色は、紫・ピンク・オレンジまたはグレーです。
この調査結果については様々な議論がありますが、40年間覆されていないそうです。
離れているところで、示し合わせたかのように同じ順を辿るとは、不思議な話があるものですね。
もしかしてテレパシーが使えたとか。…まさかね
本物の原色とは
これには3つ答えがあります。
塗料と顔料は、赤・青・黄色。
印刷であれば、シアン・マゼンタ・イエロー・ブラック。シアンは水色に近い青緑色で、マゼンタは赤紫色または紅紫色とも言われています。
光の色では赤・緑・青です。
最後に
遠い昔から色を求めて鉱山や植物を相手に染料や顔料が作られ、今では色は身近な物に形を変えて生活に役立っています。希少な色とされていた紫も今は至る所で見かけます。
虹や色鉛筆、マーカーセットなど様々な色を見てワクワクするのは、今も昔も変わらないのかもしれませんね。