※画像は全てイメージ。
三大流星群の一つ、「しぶんぎ座流星群」。年始最初の夜空の舞踏会とでも言おうか。
流星の数には毎年ムラがあり、多い時には一時間に100個ほどが観測できるというが、大抵は20個から50個くらい。
しぶんぎ座という名前は、壁面四分儀座(へきめんしぶんぎざ)に由来している。
しかしこの星座は今はなくなっている。IAU(国際天文学連合)によって、今知られている88個の星座が決められ、それ以外は残念ながら採用に至らなかった。その中に、しぶんぎ座があったということだ。
しぶんぎ座は、現在うしかい座やりゅう座の一部となって夜空を飾っている。
「トレミーの48星座」は88個の星座を決める際のもとになった。トレミーの48星座の中で、アルゴ座だけは星座が大きいという理由から採用とならず、りゅうこつ座・ほ座・とも座に分けられた。
トレミーというのは人名だが、もとはプトレマイオスという。プトレマイオスを英語にすると「Ptolemy」になることから「トレミー」と呼ばれている。
しぶんぎ座流星群は一年の始めに観測できる。観測できる期間は年末からだから、年越し流星群だ。極大は2020年1月4日の夕方だった。
日本で流れ星を見ようと思ったら、極大から時間帯がずれているからあまり見られないだろうということだったが、普段よりは見られる確率は高いのは間違いないと思い日付が変わる頃に外へ。
北斗七星をとりあえず見つけたものの、月が明るくて星があまり見えない。月明かりの影響はないって情報が疑わしくなるほど明るい月夜…。
暫く北斗七星を眺めていると、柄杓の持ち手の部分が建物の影から出てきて星座全体が見えるようになった。
その間、ちらちらと短い光の筋が見えた…ような気がする。なんか見えた気がした、で終わるのもある意味幸せかもなとか思った。流れ星は多分気のせい。流れ星って前はいつ見たっけなと思いながら空を見た。
北斗七星は柄杓に例えられるけれど、杖にも見えるなと今更ながら思った。ずっと見ていると、空に「?」が浮かんでいるように見えて面白い。
放射点から離れたところを見ようにも、周りに建物が多くて星は綺麗に見えるのに視界は開けていない。
仕方がなく寝た。
朝6時頃、目が覚めた。ほんのちょっぴり明るい外に出ることにした。
夜が和らいでいくような空で、北斗七星がちょうど見上げる位置にきていた。星はぎりぎり見えるくらい。
柄杓の持ち手が南を向いていた。その延長線上に、ぽつりと目立つ星が。うしかい座のアークトゥルス?
観測できる時間は5日の朝5時頃までという予想だったが、「シフト5時までなんで、流れ星やめまーす」とぴたりと流れ星が見られなくなるわけでもないだろう。
そう思って6時14分頃から空を眺めていた。
それから15分くらい経った。
うしかい座の目立つ星の傍を、キラリと流れ星が。だんだんと黄色味を増していく空の端に負けじと、東から西にかけて白い光が走った。
しゅんっと勢いよく流れる音が聞こえた…ような気がする。あくまで、気がするだけ。
三大流星群のうち、あとは8月ペルセウス座流星群、12月ふたご座流星群。地球の外からの贈り物は見られるだろうか。