雑学

文化の日はハンカチの日。ハンカチが決まって正方形をしている理由

ハンカチの形はどんなの?

 

外に出かけると、何かと手を拭くものが必要な時があります。お手洗いの時や、汗をぬぐう時。もしかしたら怪我をしてしまうかもしれません。あるいは鼻をかむときとか。

そんな時に大活躍なのがハンカチです。あなたは外出時にハンカチを鞄や洋服のポケットに入れてありますか?

 

 

ハンカチはよく目にすることもあります。例えば、お手洗いで先に手を洗った人が持っているハンカチで手を拭く時、ギフトショップや雑貨店で家族や友人にプレゼントを選ぶ時…。もちろん自分が使う時も。

周りの人が持っているものや、お店に並んでいるものは色やデザインが違えどハンカチは「正方形」ですよね。たまに変わった形のハンカチもありますが、一般的に四角形をしています。

 

 

ところで、どうしてそんな形なのか考えてみれば色々と理由が浮かびそうです。

見た目が美しいから?折りたたんだ時にポケットにしまいやすいから?使いやすいから?

実はハンカチが正方形をしているのは、機能性や見た目の美しさの為にあるわけではないのです。

 

わがままか、心配性か

 

ハンカチについて過去を遡ると、場所はフランスに辿り着きます。人物はマリー・アントワネット。当時フランスではルイ16世の時代でした。

 

国王夫妻がアントワネットの故郷オーストリアへ向かおうとフランスからの脱出を試みて、失敗に終わったヴァレンヌ逃亡事件(1791年)。

その際に、彼女は逃亡計画の舵を握るスウェーデン貴族、フェルゼンに自分の意見を貫き通しました。

ばらばらではなく一家まとまって逃げること、いくつもの樽や服が入った衣装箪笥、高価な食器類などを持って行くこと…。

 

 

結果、計画していた時間よりも遅れて真夜中に宮殿から抜け出す際には、あまり目立たない馬車でそれぞれ出て、六頭の馬が曳く馬車が待つ場所で合流し一緒に逃亡することになりました。

大きな馬車も彼女が望んだことでしたが、宮殿からそのような豪華な馬車が出れば目立つため、始めは別々に宮殿を後にしたようです。

計画が成功した先で王家の威信を示すためや、道中で見つかってしまった時にそれらを渡して見逃してもらうためだったにせよ、馬にとっては「いや、さすがに重いっスよ、アントワネットさん」とぼやきたかったのでしょう。

六頭が曳いたにも関わらず、馬車のスピードは遅かったんだそうな。8つもの樽となると、それだけでかなり重そうだと想像できます。

 

 

さて、逃亡計画に意見するマリー・アントワネットは、ハンカチについても物申していました。

 

ハンカチはゼッタイに○○!

 

ヴァレンヌ逃亡事件の1791年より前のこと。昔、ハンカチには丸・三角・楕円形など色々な形がありました。

そんな中、1785年にハンカチ界に変化がに訪れます。ルイ16世は妻マリー・アントワネットの進言を法令にしました。内容は「国内のハンカチはすべて正方形に統一する」というもの。

当時妻からハンカチの形がどうの~と言われた夫は、どんな気持ちだったのかは分かりませんが、政治に関係のないことも法令として出せる立場だとしたら、あなただったらどんなことを言いますか?考えだしたら、ちょっとワクワクします…。

どうしても刺繍や飾りがついたハンカチは目を惹きます。それに加えてサイズや形も様々ですから、個性がでまくりのハンカチ。

 

 

周りが色々な形のおしゃれなハンカチを持っていると、自分のハンカチはパッとしない。アントワネットの自己顕示欲で、このような法令ができたのだそう。

しかも律儀なことに、国民はハンカチの形を守ったのです。それまで持っていたハンカチはどうしたのでしょう。思い入れがある品も多かっただろうに。

 

 

かくして、ハンカチが四角というのは次第にヨーロッパに広がり、今では当たり前のように「ハンカチ=四角」の方程式が定着しています。

 

ハンカチの日

 

今日は○○の日です、という話がありますね。365日、世界中のどこかで誰かが誕生日なように、その日ごとに何かしら記念日があるもの。

 

 

その中に、「ハンカチの日」があります。マリー・アントワネットの誕生日は11月2日ですが、その日に一番近い祝日が「ハンカチの日」とされています。

日本で言うと、文化の日(11月3日)です。ですから、文化の日はハンカチの日でもあります。

とはいっても、祝日というのは国によって違います。彼女の誕生日の近くに祝日がない場合、一番近い日曜日がハンカチの日、と定められているのだそう。

 

最後に

 

今回はハンカチとマリー・アントワネットの関係についてでした。

マリー・アントワネットが自分のハンカチが引き立たないという理由で、夫に進言しハンカチは正方形にしなさいと法令まで出されました。刺繍や飾りに凝ったハンカチは、使うのを躊躇いそうですね。使うのがメインではなく、個性や立場を表すためのアイテムの一つだったのでしょう。

 

 

古代エジプトでは身分の高い人が持つ物だったようです。紀元前3000年からハンカチは存在していたんですね。

日本では、明治時代に西洋の文化が取り入れられるに合わせてハンカチが普及していったとのこと。

これだけハンカチハンカチと言っていると頭がおかしくなりそうですが、ハンカチという言葉が出たのは19世紀になってからなんだそうな。

それにしても三角形のハンカチをプレゼントされたら、面白いけど使いにくそうだなぁと箪笥の中で眠りっぱなしになりそうです…。

 

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