不思議話

真夜中の散歩

 

家にダックスフントを飼っている友人の話。

これうちのワンコ、と写真を見せてくれた時、たしか6歳と言っていたから今は10歳が近いのだろう。

なんでも胸の上に顎を乗せるのが好きなワンコらしい。そしてこのことからわかるように、女性好きとも言っていた。

そんなワンコは、友人の父親と散歩に行く。

それは辺りが静まりかえり、夜の闇が辺りを支配するころ。午前1時とかかな。

その時間帯に、ささっとではなく結構長いこと散歩をするらしい。

ある日、友人の父親はいつものようにイヤフォンで音楽を聴きながら犬と一緒に散歩に行った。もちろん真夜中である。

そして無事父親と犬は家に着いた。しかし、犬がワンワンと騒ぐ。家の中ではなく、外でのことだったそうだ。

ただワンワンと吠えるのではなく、唸ったりもして動きもおかしい。

普段は騒がない穏やかな犬で、父親からしたらまるで突然性格がかわったかのように見えたのだろう。

そこで父親は言った。

「出てけーーー!」

すると犬は、ひゅんと情けない声を上げて大人しくなり、行動も落ち着いたそうだ。

動物に霊が憑くことってあるのかな?

もし憑かれたら友人の父親に一喝してもらおうか…

どっちかっていうと犬の身に起きたことより父親の方が怖い…。

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